会社をリストラされ、職探しに疲れはて、家で始めたのは
三十年間気になっていたアナログフィルターの勉強でした。
三十年前、私にとってアナログフィルターの設計理論は羨望の的でした。
専門書を買い込みましたが、難解であり、読み始めても続きませんでした。
仕事も忙しかったので、全然勉強しませんでした。
積んである本が、ずっと気になっていました。
再就職をあきらめ、家でじっとしていました。
なんとなく本を読み始めました。相変わらず難解でした。
三十年間で変わったことは、パソコンの変化です。
端的に言えば、むかしエクセルはありませんでした。
分らない理論は、横に置き、設計公式どおりにエクセルを作れば、
どのフィルターも、エクセルのグラフ上で動くことが分かって来ました。
ただし、本に載っている式に間違いが多いので困りました。
ちょうどそのころ、講談社のブルーバックスに、CD−ROM付電子回路シミュレータ
入門という本があることを知り、フィルターの動作実験をパソコン上で行いました。
こうして設計も実験もパソコン上で出来てしまうと、だんだん欲が出て来ました。
非常に難しく、あるいは初心者向けということで簡略化のため、
いずれにしても分りづらい、フィルター理論の本を書きたいと思って来たのです。
学者ではない自分は、全く新規に本を書くのは不可能ですから、
各種専門書のいいとこどり、およびその行間を埋めたいと思いました。
アナログフィルターを、どのように理解したかの記録を、まとめたいと考えました。
自分と同じ、独学者向けのアナログフィルターの本を書きたくなったのです。
パ○リだとの批判を受けそうです。しかし過去に出版されたフィルターの本も、
それ以前の本からのパ○リが多いです。お許し下さい。
目次へ